寒くなると「お腹を壊しやすい」「朝方に下痢をする」「温かい飲み物で落ち着く」という方はいませんか?
漢方ではこのような状態を「寒証」と呼びます。体の中が冷えて、消化吸収の力が弱まり、腸が過敏に動いてしまうことで下痢を起こす病態です。
寒証による下痢の特徴は、冷たい飲食物、薄着、過労、ストレスなどがきっかけになり、「水のような便」や「朝の下痢」「温めると楽になる」などの症状を伴います。中には「鳥の糞のようにベタベタした便」の人もいます。これは体の芯まで冷えて、消化力そのものが落ちている“深い冷え”のサインです。いくら温かいものを食べてもすぐにお腹を下す、という方はこのタイプに多く見られます。
西洋医学的には、冷えによって腸の血流が悪くなり、自律神経のバランスが崩れ、胆汁や消化酵素の分泌が低下することが関係しています。つまり単なる胃腸の弱さではなく、「体の代謝と神経の冷え」が原因なのです。
治療には、身体を内側から温める「祓寒剤」と呼ばれる漢方薬を用います。代表的なのは人参湯や真武湯で、冷えによる腹痛や下痢、食欲不振などに適しています。これらは単に体を温めるだけでなく、腸の運動を整え、自律神経の働きを回復させます。
普段の生活でも「温める工夫」が大切です。朝起きてすぐの冷たい飲み物は避け、白湯をゆっくり飲む。首・お腹・k下半身を冷やさない。
冷えによる下痢は、体が発する警告信号です。市販薬で一時的に落ち着いても、根本的な冷えが残っていることがあります。長く続く下痢や冷え、食欲不振がある場合は、漢方的な体質の見直しが必要です。
当院では、冷えや下痢の原因を体質や生活リズムの面から丁寧に分析し、体を内側から整える治療を行っています。気になる症状が続く方は、どうぞお気軽にご相談ください。

